幹部自衛官の教育は自衛隊を軍隊とする憲法改正に十分なのか?

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 2023年6月30日集英社オンラインの『自殺未遂、脱走、不審火、新入生をカモにした賭博事件…改革急務の危機に瀕する防衛大学校の歪んだ教育』を読んだ。防衛大学校で教鞭をとる等松春夫教授の論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』についてのインタビュー記事である。

 等松教授の指摘に関しては、単なる内部告発としてとらえるのではなく、幹部自衛官の行末を心底案じた上での教育に対する熱意が表れていると思われるので、ぜひ全文を読んで頂きたい。

 気になるのは、『本校教官の意見発表に対する防衛大学校長の所感』である。基本的所感の中で、『・・・もとより教授の防大をよくしたいう気持ちについて異を唱えるつもりはありませんが、全体として極めて遺憾な内容であると感じています。論考の題名は「危機に瀕する防衛大学校の教育」となっていますが、改善の余地はおおいにあるとしても「危機に瀕する」という表現には違和感を覚えます。また、議論の少なくとも一部は、事実ではなく推測に基づいていると感じられます。それによって子の論考は本校の名誉を大いに傷つけたと判断しています。具体的あるは建設的な提言がないのも残念です』と言っています。しかしながら、等松教授は現状の体制では防大の教育改革は内部からの声では困難・不可能と判断し、外圧による変化しかないとの思いから論考を書いたことを語っています。校長は防大の教育の最高責任者として、苦渋の選択で論考を発表した等松教授の意志を高く評価し、真に改革をしようという方向に向うべきと思います。所感が面子や体裁を作ろうという姿勢に見えてしまっていることは極めて遺憾と言わざるを得ません。

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