WRIISC:CMI

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Lange G, McAndrew L, Ashfold W et al : War related illness and injury study center (WRIISC) : a multidisciplinary translational approach to the care of veterans with chronic multisymptom illness.. Military Medicine 178,7:2013:705-707

初めに
慢性多症状疾病(chronic multisymptom illness:CMI)とは、筋骨格系疼痛、全身疲労、気分や認知の問題の3徴候の一つあるいは一つ以上が少なくとも6か月以上存在することと定義する。CMIは武力衝突以後に南北戦争以来記録されてきて、不幸にもアフガンやイラク作戦の戦場から帰還した退役軍人に再度表面化した。CMIは症状が退役軍人時代のその他の併発する障害の発展と有無により異なる複雑な慢性健康状態である。症状の異なる性質のため、CMIの退役軍人は多数の専門家を受診し、十分調整できないか、あるいは、矛盾した治療計画に終わる。さらに、CMIの研究は確立した治療法がない幼稚なものである。これらの努力の評価に対してより多くの組織的なアプローチがないため、証拠に基づいた治療が除外されたままである。
 著者等は基礎科学から臨床的アプローチまでの研究を動かす、他分野にまたがる橋渡しのアプローチは患者の治療を改善する至適なものである。最良の治療の最近の理解はプライマリーケアにおいてCMIのタイムリーで正確な認識、症状の自己管理を高める多くの学問領域にまたがる治療計画の発展と実施、異なるスキルを持つ医療従事者によるこの計画の予定された監視、の必要性を含んでいる。退役軍人を評価するために医療者、研究者、教育者が一緒の集学的なチームを導入することは退役軍人個人の治療を改善しシステムに広い利益を与える。戦争関連疾病外傷研究センター(War Related Illness and Injury Study Center :WRIISC)、概念的には退役軍人健康管理患者一連治療チーム(Veterans Health Administration’s Patient Aligned Care Team:PACT)構想に関連し、退役軍人委員会(Veterans Affairs)のCMIへの集学的な橋渡し的アプローチの例を表す。
2001年議会委任に反応して公衆衛生の退役軍人事務局は退役軍人の兵役後の健康への関心や彼らに必要な固有な健康ケアに焦点をおくためWRIISCを実行した。WRIICの使命は臨床評価、研究、教育、リスクコミュニケーションを通して退役軍人と彼らの健康管理医療従事者のために専門的技術を発展提供することである。4つの柱アプローチは3つの退役軍人医療センターサイト、East Orange、NJ;Washington、DC;and Palo Alto,CA、でWRIISCプログラム全体で実施される。

臨床サービス
 兵役に関連し健康を損なう健康懸念を持つ退役軍人やCMIは包括的な二次評価のために医師によりWRIISCに関連つけることが可能である。WRIISCはこれらの退役軍人に産業医やその他の専門家を含む多分野にまたがる医療チームによる複数日数の健康評価を申し出る。チームは、医学記録に記載された以前の精密検査と同様に、チーム全員による退役軍人のアセスメントの基づいたロードマップ、と呼ばれる個人的な健康管理計画を発展させる。ロードマップは追加的な精密検査、治療、症状の自己管理のための具体的な推奨と同様所見の詳細な議論を含む。
 WRIISCはまた退役軍人と環境や職業的な露出の専門家(exposure experts)による臨床電話相談を申し出ている。WRIISC専門家は退役軍人の特殊な軍に曝された懸念、寿命の露出懸念(life time exposure concerns)、最近の健康問題の文脈において知られた健康リスク、リスクを軽減するための推奨、を評価する。このようにWRIISCプログラムは患者を移動させることなく医師や退役軍人を職業的と環境的特殊な医学で補助する。

教育とリスクコミュニケーション
 WRIISC臨床サービスは患者の教育材料を審査する教育とリスクコミュニケーションの人材によって支援され、WRIISC人材は退役軍人と公衆のすべての関係におけるリスクコミュニケーション原則を使うことを保証する。付け加えれば、WRIISC臨床経験は退役軍人と退役軍人協会の知識と発展のギャップを確認しこのギャップを埋めるため内容を届ける。

研究
 核になる機能として、臨床プログラムは任務に関する健康問題のための監視の方法を提供する。例えば、WRIISC臨床評価で分かった変わった症状や健康状態の頻回の観察は臨床的に観察された出来事が特殊な因子やWRIISで見られたごく限られた人の異常に関縁があるか、系統だった分析を促進する。
 WRIISCはまた、ケアのための新しいアプローチの研究所として奉仕する独特の環境を提供する。CMIの熟練者とCMIを持つ退役軍人の親密な相互関係はWRIISC研究者に多の状況で実行されている新しい臨床治療を提供する。例えば、WRIISCコロンビアとカルフォルニア管区で使用されている先端の脳画像技術は軽症頭部外傷の既往がある退役軍人を評価し、特殊な臨床治療の推奨を導く。同様にWRIISC研究はCMIを持つ退役軍人においてバランスの取れた困難の予想外の流行を検出する。結果として、NJ WRIISCは評価のために参照する退役軍人のバランスを評価する臨床プロトコルを素早く実行する。逆にWRIISC集学チームは有望な研究プロジェクトに臨床観察を比較的急速に移行することを考慮に入れる。これに対する系統的アプローチはWRIISCのメールを使う調査で評価された退役軍人の健康懸念の長期間の追跡機関を通して3つのWRIISC全てで適当である。

橋渡し特殊ケアセンターはどのように違うか?
 集学的なアプローチは多眼的に患者の検査のより患者の問題をより理解することを促進する。医療者の異なるタイプは彼らの訓練や経験の長所により異なった強さを持つ。チーム委員に彼らの訓練と経験のピーク時の機能を許すことで、患者は利益を得る。このアプローチがより大きな時間や資源の初期費用が掛かるとしても、治療アプローチ明らかにすることによる長期的な利益、退役軍人の余生のために治療する使命を持つ退役軍人協会の価値、を提供する。
 第二に当初の患者の多数の評価はチーム委員の間の所見の確認や患者をはっきりさせる目立つ矛盾を考慮に入れる。評価内容が重なるチームを基礎にしたアプローチは関連する問題の多数のデータポイントを考慮する。より豊富なデータにより記録された更なる明快さは治療のより個人的な推奨を考慮する。
 第三に、チームがより全体的な文脈のアプローチに対しての明白な注意がない考えの下より狭い疾病に焦点を当てても、橋渡し特殊ケアセンターは患者に利益をもたらす生物精神社会的アプローチを得るため個々の開業医以上と思われる。多数の医療従事者による評価では誰かが患者に影響を及ぼすその他の因子を示す質問をするであろう。精神社会的問題はしばしば有効な治療に対する擁壁を作るし、これを気づくことはチームが問題を解決することを助ける。
 最後にチーム全員の間で情報共有の時間を持つことにより、病気の原因、予後、治療の理論が分配される。仲間により独立して得られた情報を試験し、より患者中心の所見や推奨の概要を作る。お互いのチームの創造性、知識、経験は患者をシェアするより正確な、包括的な、理解しやすい結果を得る計画の発展に寄与する。
 橋渡し特殊ケアセンターが患者の予後を実際に改善する証拠を得るには難しい。研究の質を理由に話題の批評は繰り返し限界を挙げる。しかし、一般的に治療の単一の訓練プログラムに比べて予後の改善が軽度から中等度見られる。また、より重症な健康問題を持つ患者はより重症ではない問題を持つ患者よりも集学的なアプローチから利益を得ている。より強度のプログラムはより低度のプログラムより大きな利益を得る。橋渡し特殊ケアセンターを支援する所見は難しいが有効性を評価することを継続することが重要とであるとする医学研究所(Institute of Medicine)に賛同する。
 橋渡し特殊ケアセンターで提供される患者治療は比較的少数の個人を支援しているにもかかわらず、診察する人を大いに助ける。
WRIISC臨床サービスのための患者の満足範囲は常に高い。加えて、WRIISCを含む多くの橋渡し特殊ケアセンターにとって、患者の予後を改善する以上に他の利益を社会に与える。臨床的専門技術を、より高度な人的満足や蓄積の維持と同様に、その他に広がる可能性のある知識に橋渡したり、潜在的研究参加者の臨界質量を提供したり、臨床的に関連する疑問や仮説の研究予定表知らせたり、することも含む。
これらの利益を数量化することは難しいが、このようなプログラムに投資しさらに発展させるための決断時には無視するべきではない。臨床治療中行われる観察は患者すべてに影響を与える新しい治療の標準を作るための研究質問や教育サービスに橋渡しされる。退役軍人協会や防衛省の政策策定者は健康管理システム、CMIの包括的な調査、管理、評価のため恐らく慢性疼痛に既に使用された段階治療モデルを使うのであろうが、を通してWRIISCのような成功した橋渡し特殊ケアセンターのより系統的な統合の費用と有益性を考えるべきである。最も適切な治療レベルを保証することにより、これらの組織は従軍した退役軍人や兵士の治療の予後や費用対効用を改善することができる。