『防衛問題研究家・桜林美佐氏 防衛費は増えているのに…「兵站の危機」自衛隊の物資不足を放置するな 』を読んだ

Pocket
LINEで送る

桜林美佐氏の発言の中で「弾は足りているか」という部分が気になった。防衛省の平成31年度概算予算要求額は5兆2926億円であり、人件費2兆1908億円を引くと3兆1018億円になる。F-35A6機916億円の他にF-35Aに搭載するスタンド・オフ・ミサイル73億円となっている。滞空型無人機81億円、新早期警戒機2機544億円、中距離地対空誘導弾1式138億円、短距離地対空誘導弾1式46億円、護衛艦建造2隻995億円、潜水艦建造1隻771億円、陸上配備型イージズシステム2,352億円、16式機動戦闘車22両164億円、輸送機(C-2)取得2機457億円、魚雷の整備445億円、などなど数字が並んでいる。ここで疑問に思うことが2点ある。

①勇ましい装備が並んでいるが、桜林氏の懸念するところの肝心の弾は有るのであろうか?私は専門家ではないのでネットで検索するとサイドワインダーミサイル約2,000万円、AIM-120約4,500万円、AAM-4約8,000万円である。宝くじ1等賞金10億円でもサイドワインダー50発にしか相当しない。島嶼奪還想定実践訓練がなされているが装備・兵器は確かにあることはあるが本当に敵を撃退できるほどの弾・ミサイルがあるのか疑問である。韓国海軍駆逐艦のレーダー照射が議論になっているが、「米軍なら敵対行為とみなし撃沈」という記事もあった。韓国からの誠意ある対応が見られないばかりか見下されたかのようなコメントが続いている背景に自衛隊装備が「弾」がなく「張り子の虎」と思われ馬鹿にされていないことだけを祈る。

②衛生に関しては第一線救護衛生科隊員の教育資器材の購入2億円、自衛隊入間病院建設41億円と圧倒的に少ないばかりか、相も変わらず資器材・設備・施設などのインフラ整備のみで、肝心の戦傷治療体系の構築(TCCCと5層の治療レベル体系)には程遠い。 防衛医科大学校は1973年に開設され2016年3月までの44年間に医学科卒業生2,432名を育成しているが、2015年のデータでは医官は820名しかおらず、2009年は789名であり6年の間に31名しか増加していない。防衛医科大学校は単に医師を育成しているだけで医官を養成育成する大学校とは言い難く、これまた「張り子の虎」であり、戦傷者の生命は救えない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください