このまま「中東派遣」で自衛隊は大丈夫か  

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 林 吉永氏の「このまま「中東派遣」で自衛隊は大丈夫か」フォーサイト-新潮社ニュースマガジンを呼んだ。その文中に『「自衛隊員の生命を直接の危険にさらす」ことに思いが至っていない。唯一の救いは、石破茂元防衛相が「自衛隊員の立場を考えなければならない」と発言したことである』という一文があった。『生命を直接の危険にさらす』ことに対する議論や対応は必要であり、憲法問題も含め十分議論することに異論はないが、これはあくまで未然に事故を防ぐという『防災』の観点の議論である。

 如何に準備したところで負傷者をゼロにすることは不可能である。負傷者が発生しないことを前提とした議論ではなく、負傷者が発生した際の対応を練るのが『減災』である。今回の自衛隊派遣は不測時の対応が充分予想され、負傷者が発生した際に『想定外のことが起った』と言い逃れが許されないはずである。昨年10月のフィリピンの訓練での事故死を教訓に、『生命の危機の遭遇した場合の対応』、すなわち、万が一負傷した自衛隊員の医療体制が飛躍的の向上したのであろうか?陸自の教訓が海自に生かされたのであろうか?2017年1月南スーダン・ジプチの視察では自衛艦内の処置室は後送を主としているためは貧弱で、かつ、重症対応能力・技術も不十分であった。さらに、根本治療までの後方搬送も自衛隊自前ではなく民間あるいは他国のシステムに依存せざるを得ない状況であった。2019年までの2年間に海自はハード面ソフト面で外科的対応能力や搬送能力が海外派遣に見合う体制になったと言い切れるのであろうか?

 『「命ぜられれば全力を尽くします」と覚悟する自衛隊員に対して』法的な議論だけではなく、早急に実践的な戦傷医療体制を構築することが彼らを守る最良の手段である。自衛隊員の命は国家の捨て石ではない。

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