非常時だからこそ何でもかんでも許されるのではなく、法に準拠することが必要である。

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 またまた、菅政権は暴挙と言わざることを訴え始めた。救急救命士や臨床検査技師にワクチン接種を行わせるというのだ。歯科医師のワクチン接種同様、あり得ない話である。救急救命士や臨床検査技師は本来業務のプロではあるが、臨床現場で患者に筋肉注射自体を行ったことはないし、また、それにまつわる副作用は勿論専門医学教育も受けたことはない。しかも救急救命士の特定行為は未だに「医療行為に当たるか、否か」議論のあるところである。この方々にワクチン接種を受ける国民の命をあまりに軽く見ているとしか思えない。

 そもそも、ワクチン接種の著しい遅延は、菅政権のあまりに場当たり的な稚拙な運営に原因がある。最近のちぐはぐな動向を見るにつけ、今回のワクチン接種を急ぐ背景には国民の命を守るという本来の意味は感じられず、ただただ東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせたいという政治的思惑に過ぎないように思えてならない。

 総理の不始末の処理のために、ねぎ曲がった法解釈でごまかそうと必死の様子がうかがえる。慌てれば慌てるほど、事態は進まず、進まない原因を自分以外に探し、その結果、自分の都合で本来の制度や法をねぎ曲げようとする政府は末期的と言える。

 本質的な問題は、表面的に医療逼迫を訴え裏では政治に明け暮れている医師会長を含め、新型コロナウィルス感染症に関わっていない医師達を如何に活用するか、である。極論すれば、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会尾身会長も医師であるなら国民に不安を招くような発言を繰り返す前に、会議会見に出る時間があれば、ワクチン接種会場に自ら出向き、ワクチン接種に協力すべきであろう。非常事態の今こそ、法の解釈を曲げるのではなく、リーダーの率先垂範が望まれる。

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