米空軍における兵器システムのソフトウェア維持(サステインメント)**の現状と課題を分析し、近代的ソフトウェア開発への転換を提言した報告書である。従来の保守・維持という概念は不適切であり、実態は、バグ修正、脆弱性対応、機能追加であり、継続的な開発という概念である。
現状の問題を表にまとめる。
| 組織・制度 | ・開発と維持の分断 ・エンタープライズ戦略の欠如 |
| 人材 | ・ソフトウェア人材が戦略資産として扱われていない ・採用・待遇・キャリアパスが不十分 |
| 技術・インフラ | ・古いシステム(レガシー)の存在 ・開発ツール・クラウド利用制限 ・システム統合環境(SIL)の不足 |
| 契約・権利 | ・データ権利(ソースコード等)が不十分 ・ベンダー依存 |
これらの問題点について提言をまとめて表にした。
| 近代開発手法の導入 | ・Agile ・DevSecOps ・CI/CD → 継続的開発体制へ移行 |
| 人材戦略の強化 | ・採用・育成・維持を強化 ・柔軟な雇用・契約制度 |
| 開発環境の近代化 | ・クラウド・最新ツール導入 ・System Integration Laboratory(SIL)整備 |
| 利用者との密接連携 | ・開発者と戦闘員の距離を縮める ・ 現場ニーズ反映 |
| モジュール化・オープン化 | ・ソフトの分割設計 ・オープンアーキテクチャ採用 |
| ソフトウェア資産の可視化 | ・全システムのインベントリ管理 ・レガシーの更新あるいは廃止判断 |
| SILの自前化 | ・テスト環境を空軍が直接管理 |
| データ権利の確保 | ・ソースコード・技術情報へのアクセス確保 |
| 法務能力の強化 | ・知的財産・契約交渉能力の向上 |
ソフトウェアは維持するものではなく、進化し続けるものであり、空軍は“ソフトウェア組織”へ変革すべきであるという観点から、米空軍は、従来の装備維持モデルから脱却し、ソフトウェア中心の継続的開発組織へ転換する必要があると結論づけている。
