TCCCには、①傷病者の治療、②さらなる傷病者の予防、③作戦遂行、という大きな3目標がある。TCCには、戦闘状態に沿った戦傷医療の3フェーズ(行動段階区分)、タニケット使用、戦場での抗生剤使用、輸液蘇生、鎮痛、経鼻・経口エアウェイ、外科的気道確保、緊張性気胸の積極的加療、人材、シナリオ訓練、良き医療を伴う良き戦略などの内容が含まれている。TCCCの治療原則は、戦場における死亡率の多くを占める、四肢の損傷による制御困難な出血、緊張性気胸、顔面骨骨折による気道閉塞、による「防ぎ得た死亡(preventable death)」を最大限減らすことである。
敵と交戦中の医療(前線医療)は、戦況を鑑み、Care Under Fire(CUF:砲火下の医療)、Tactical Field Care(TFC:戦術的野外医療)、Tactical Evacuation Care(TACEVAC:戦術的搬送医療)の3相に分け定義されている。
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意図的に相手を殺傷するという戦場における医療行為である以上、医療を提供する側も敵から見れば攻撃の対象であり、その安全性に関しては特段の配慮が必要である。