軍事的な抑止力だけでは尖閣は守れない

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『政府、尖閣上陸阻止で「危害射撃」可能 中国公船を念頭に 見解』という報道があった。記事では、「危害射撃」という警察官職務執行法ではなく、中国が施行した海警局の武器使用規定を明文化した「海警法」への対抗策が必要という、いわば、交戦規程に係る法律論が主な論点であった。突き詰めれば、自衛隊が「軍隊」ではないため、既存の法律の拡大解釈で、中国の軍隊に対する方策を絞り出している現状から生まれた議論や結果である。

 確かに中国の軍事的な圧力に対しての軍事的な抑止力は必要不可欠である。しかしながら、以前から主張しているように、軍事力は軍事的な装備や能力だけで評価されるべきものではない。戦闘に参加する者、巻き込まれる可能性のある者、さらに、敵国や難民に対する医療が軍事力を支えている。尖閣という本土から著しく離れた地域からの重傷者搬送体制すら不十分と思われる現在の自衛隊を持つ日本には中国と交戦可能な医療体制を持っているとは考えられない。「軍事力だけでは人は救えない」「国の基礎となる人を救えない者は国を救えない」という当たり前のことが当たり前のように議論されないまま、軍事的な対抗策のみを論じている。

 度重なる中国公船の尖閣領域侵犯では傷病者がいつ発生してもおかしくない状況であるにも拘らず、有事の備えの医療体制の拡大充実を考えていない防衛省・政府関係者は犠牲者が出た時に従来通りの「予想外の出来事」「不測の事態」と言葉を繰り返すのであろうか?もっと真剣に現実的に国防を考える政治家が望まれる。

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