マルチドメイン戦略において、あらゆる敵に対して競争上の優位性を得るため、陸・海・空・宇宙の戦場で最大の運用上の優位性をもたらす方法によりエネルギーを使用する最高の資源が協調的かつ戦略的に結集されることが第一の目標であるとした点からエネルギーを分析した論文である。
序文には考慮事項として如何が挙げられている。
・必要なエネルギーを、必要な場所と時間に、必要な人に供給する。兵士が弾薬、食料、水を使い果たすことを決して望まないように、十分な電力とエネルギーは成功に不可欠であり、兵士の命が救われる。
・ 増大する電力需要を満たす必要性を認識する。
・通信、情報処理、人工知能の改善に基づいて、すべての兵士の戦場の状況認識を強化する。
・補給中に命を救うために燃料輸送の必要性を減らす。
・下車した兵士が運ぶ重量を減らす。
・すべての種類の車両(有人および無人の地上および飛行資産)の重量を軽減する。
・陸軍旅団の自立能力を 3 日から 7 日に増加する。
・下車した兵士、車両、および前方作戦基地にさまざまな地形での迅速な移動を提供する。これには、前方作戦基地の迅速なセットアップと解体時間を含む。
・燃料補給、再充電、または新しい電源の提供に必要な時間を維持または短縮する。
・世界中で利用可能なより広範なリソース(同盟国および敵国が使用する燃料リソース)を活用する能力を保持する。
・特に独自の技術を持つ敵の手に渡ったエネルギーリソースを無効化またはロックアウトする能力を維持する。
・軍事目標を損なうことなく、可能な限り環境に優しい技術を採用する。
・分散型リモート センサーの場合はミリワット。
・小型無人航空機 (UAV) と兵士の装備の場合はワット。
・レーザーなどの新しい指向性エネルギー兵器の場合はキロワット。
・ 地上戦闘車両、新しい FVL (Future Vertical Lift) ヘリコプター/VTOL (垂直離着陸) 航空機、および前方作戦基地の場合はメガワット以上。
論文では、戦場に持ち込まれる主な電力およびエネルギー源となるべき燃料として、ジェット推進剤8(JP8)、ディーゼル、バイオディーゼル3(再生可能燃料)を挙げ、さらに水素も取り上げ議論している。また、内燃機関(ICE)、ガスタービンエンジン、発電機、パワーエレクトロニクス、バッテリーストレージを使用したハイブリッドテクノロジー、はEVの再充電時間や航続距離の制約なしに現場での電化の利点の多くを提供でき、特に重要なのはハイブリッドが提供する最大20パーセントの燃費向上として多くの有望な取り組みを開始していることを紹介している。
軍に様々な分野で急速に進歩している技術や装備を実際に運用するためのエネルギーを産学共同で前向きに議論が展開されている米国の状況に鑑みれば、我国が資源小国である現実に立脚したエネルギーの包括的議論や分析が必要であり、このような分析検討がなければ、自衛隊の装備は「宝の持ち腐れ」と言わざるを得ない。