Army combat trauma care in 2035 : Proceedings of a workshop&#8212 ; in brief(2020)

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(http://nap.nationalacademies.org/25724)

2035年の陸軍戦闘外傷治療:ワークショップの議事録概要(2020)

全米科学・工学・医学アカデミーは陸軍研究開発委員会(the Board on Army Research and Development : BOARD)の後援の下、2019年に軍、研究者、医療、諜報の専門家によるワークショップを開催し、2035年の高強度紛争で兵士の生存率を向上させる可能性のある陸軍の戦傷医療の将来と新たな医療の進歩について検討した。

3日間開催され、各々のテーマは以下の通りである。

1日目:戦傷医療の主要要素、関連システム、将来の運用環境

2日目:パートI;軍事指導、計画訓練、パートII;組織とリーダーシップの要件

3日目:パート;人間のパフォーマンス、パートII;機能的成果の改善のためのバイオエンジニアリング、パートIII;最終的な感想とまとめ

ここでは、3日目のパートIIIのまとめを以下に記載しておくが、関係者の方々には是非自ら読んで頂きたいと思う。日本の自衛隊を鑑みれば、現在はもちろん将来も戦える自衛隊にはなり得ない現状を憂うべきと思われる。

テーマ1 :参加者の何⼈かは、この⽂化を浸透させることができるのはトップレベルのリーダーシップだけである、と思った。Kotwal氏は、直接の責任と所有権の⼀部として、ライン組織が戦闘外傷治療と戦闘医療治療 (CTC‑CMC:combat trauma care and combat medical care) の利用を⼀貫して考慮していないと思った。

テーマ 2:複数の参加者はトップのリーダーシップが多くの特定されたギャップに対処しなければ、2035年に向けた研究開発活動(research and development:R&D)の影響と有効性は低下するだろうと考えた。Kotwal氏は、このレベルのリーダーシップのコミットメントがなければ、変化はほとんど期待できないと付け加えた。

テーマ 3:参加者の何⼈かは、トップリーダー向けの 2つの課題を支持し、Bagian氏はそれを次のようにまとめました。(1) 軍司令官は準備態勢を確保するための中核的な責任として、CTC-CMCを⾒なすべきであり、そうすれば、特殊作戦部隊や通常部隊がこのアプローチを採⽤していることが実証しているように、結果は改善する可能性が高い。(2) 軍司令官は、CTC‑CMC資産が訓練され、装備され、⼈員が配置され、他の支援資産 (情報、ロジスティクスなど) に求められるのと同じ優れた基準に従って責任を負うようにすべきである。

テーマ 4:参加者の何⼈かは、議論された R&D項⽬のいくつかに共感し、多くの参加者が複数のR&Dカテゴリ、特にバイオマテリアルに共感した。Bagian氏の発言では、次のような横断的なギャップが指摘された。1.研究開発のリーダーシップと⼀部の研究者は個⼈を再び戦闘に参加させることに重点を置いていない。2.センサーが個⼈にもたらす利点を認識していない。3.戦術、技術、テクノロジーが戦力増強要因として機能するという事実を受け⼊れていない。4.改善イニシアチブ(R&D など)の成功は指揮官の承認にかかっている。5.死傷者データと防護システムの設計および最適化(特に防護システムのR&Dの場合)とのリンクが不⼗分である(Kotwal氏は、データが機能的に使⽤できることを確認することを強調した)。6.研究開発やその他の改善を支援するために、より業務に関連した指標とデータが必要である。(Kotwal氏は、そのデータを⼊⼿するには、指揮官がデータの収集の重要性を強化する必要があると強調した)

テーマ5:参加者の何⼈かは、これらのギャップのすべてではないにしてもいくつかは、長期的な研究開発を待たずに、そのための義務と資金があれば、近い将来に解決できると考えていた。これらの問題のいくつかを浮き彫りにした国家外傷ケアシステム(National Trauma Care System)などの過去の研究や、過去に小規模ながらも熱⼼なグループによって推進された TCCCの成功に言及し、Bagian氏は⼀貫したトップリーダーシップの⾏動が取られることを期待した。この希望は何⼈かの参加者によって共有されているようでした。

最後に、Bagian氏はワークショップで生み出された次のような考えをまとめて提⽰した。

1.個別のケアや栄養も含め.⼈間兵器システムのパフォーマンス向上をカスタマイズしていない

2. 2035年の死傷者発生の可能性を考慮した訓練の規模設定がされていない

3.健康促進および保護活動に対する指揮官の責任感がない

4.個々の戦闘員、部隊、⽂化、任務に合わせた医療のカスタマイズがない

5. 7つのフィットネス領域における現在の縦割り(silos of excellence:卓越性のサイロ)は、すべての統合を妨げている((※フィットネスに関連する一般的な7つの分野を挙げると、心肺持久力 (Cardiovascular Endurance) – 有酸素運動能力、例えばランニングやサイクリングの持久力、筋力 (Strength)、筋持久力 (Muscular Endurance)、柔軟性 (Flexibility)、バランス (Balance)、敏捷性 (Agility)、体組成 (Body Composition))※サイロとは企業のある部門が別の部門から孤立している状態を指す)

6. すでに開発された技術を実⽤化し、改良する能力がない

7. 軍事医療活動を合成訓練環境に統合せず、訓練を個別化するために国防総省の他の場所で使⽤されているデータと最先端のエンジニアリング知識を活⽤している

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