NAEMT’s Prehospital Trauma Life Support : Military Eighth Edition 2014:750-751
非常に危険高いビルを攻撃するため地上25mの高さから14の特別急襲チームがホバリングするヘリコプターからファーストロープを行う。出るときにチームの最後の隊員の一人が力を失い地面に落ちた。ヘリコプターは、現場でうろつくことや犠牲者を撤収させることは不可能で、随行した武装ヘリコプター(gunship)とともに迅速に出発した。チームのメディックの一人であるあなたは素早く負傷兵に取りついた。指揮官は残りの隊員に防御境界線を作るように指示した。市街のあなたの周囲は敵だらけで、チームは数方向に一時的銃撃を開始した。
①最初にやることは?
負傷兵を含めてチームが身を隠すことである。
②何故?
あなたの周囲の町の雑踏の中には多くの武装した敵兵がいる。あなたのチームは全ての敵兵を排除できる可能性はない。負傷を扱う最良の方法は負傷を予防することであり、そのため近くの低い壁の後ろの身を隠す。
③どのようにして負傷兵を移動させるか・
あなたと隊員でtwo-man carry法で頭部と頸部の動きを最小にしながら移動させる。
④敵の砲火から身を守るには低い壁は有効であり、今あなたはどのフェーズにいるか?
tactical field careのフェーズにいるが、変わる危険がとてもある。
⑤次に何をするか?
身を隠し安全にあなたは負傷兵の評価を行う。負傷兵の反応はないが外出血はない。気道は開通し、呼吸は適度であり、橈骨動脈の脈は強い。両側の大腿骨解放骨折、高所墜落の脊椎、骨盤骨折にあなたは気づく。早急に頸椎固定を代用品で行う一方、武装解除し、診察しやすいようヘルメットや戦闘服を脱がせた。さらに左右対称の瞳孔と対光反射を認め左の乳様突起に点状出血を認めた(バトルサイン)。負傷兵は反応がないままで、酸素飽和度形を装着し酸素飽和度は94% であった。
⑥診断は?
鈍的外傷による頭部外傷と両側の大腿骨解放骨折。脊椎損傷を除外できないし、非圧迫性の腹腔胸腔に出血があるかもしれない。
あなたは隊長に負傷兵の緊急度を伝え、隊長は負傷兵を収容するため作戦を変更し、4台の武装Humbeeを後送のために派遣させた。到着までの予定時間は15分。2台の車に担架があるが、隊員の一人が近くにドアを見つけ代用品の硬い担架として使用し、そのため車が到着したら現場の必要時間を少なくできる。
⑦次に何をするか?
負傷兵の観察を続けこの作戦のために持っていこうと思ったCカラーを巻き、経鼻エアウェイを挿入(SAMスプリントから作る野外応用な頸椎カラー)し、生食ロックを挿入した。
⑧負傷兵は他に何の処置が必要か?
この高さからの墜落で非圧迫性の出血の可能性があるのでTXA投与を選択する。負傷兵は相変わらず意識がなく鎮痛剤の投与の必要はない。解放骨折があるためTXAの後に抗生剤を投与する。
⑨次に何をする?
ドアにテープで固定し創部を滅菌ガーゼで被覆するとドアは大腿骨骨折を固定するには有効である。負傷兵のTシャツの上にReady Heat Blanketsを掛け、Heat Reflective Shellに入れる。ヘルメットを戻し彼の上に戦闘服をおいた。
車両は10分で来るはずであったがまだ到着しないので、チームは安全を確保し敵の砲火を少なくした。
⑩次に何をする?
負傷兵の再評価をし、呼吸がとても浅くなり、左の瞳孔が散大し、意識はいまだない。
⑪臨床的に何が起こったのか?
脳ヘルニア
⑫何ができるの?
TFCでは酸素がない。バッグマスクで負傷兵の換気を補助する。カプノグラフィは使えないので、換気回数は20回にする。頭部を代用担架で30度に挙上し、携帯していたら3%の生理食塩水250mlを投与する。酸素飽和度形を観察し、90%以上を保つ。
⑬次に何をする?
後送車両が到着するまでにTCCCカードを完成させる。
まもなく戦場に車両が到着し、隊員と負傷兵を注意深く載せ、できる限り代用担架の安全を守る。残った隊員も車両に乗り、隊は移動する。